ブランク埋めた真剣勝負スピリット

ここ何年かでボートレースファンになった方には「やまと世代」といってもピンと来ないかもしれない。そんな言葉が流行後のように喧伝されたのは、もう15年も前のことだ。やまととは、当時「やまと学校」という名称だった現在のボートレーサー養成所。その前は富士五湖のひとつである本栖湖畔にあった養成所が、2000年に福岡県柳川市に移転。88期生と89期生は本栖に入所して、やまとで修了している。入所から修了まで、やまとで訓練を受けたのは90期以降の選手たち。その選手たちをやまと世代と呼んだ時期があったのである。もはやSG出場選手の過半数がやまとで訓練を受けた選手たちとなっている現在では、死語と言っていい。
10年クラシックで歴史が動いた。ついにやまと修了組からSGウィナーが誕生したのだ。その年はオールスターで94期の岡崎恭裕、オーシャンで90期の石野貴之が優勝し、それにより「やまと世代」という言葉は定着した。その扉をクラシックで開いて見せたのが、山口剛である。
そのとき、あるいはその頃、山口は間違いなくやまと世代の旗手だった。90期以降の選手たちを牽引していくのは確実と思われていた。もちろん、その後もSG常連として活躍し、期別勝率1位を獲得するなど、確固たる実力者としてボート界のど真ん中を突っ走ってきたのはたしかだ。しかし、その年に初出場したグランプリからまさか2度目出場までに12年もかかるとは思わなかったし、2度目のSG制覇まで15年8カ月もかかったのはもっともっとまさかであった。山口自身は目の前の一戦一戦を全力で真剣勝負してきたと語るのみだが、そうはいっても苦悩することがあったのではないかと思っている。
クラシック制覇当時27歳だった山口も43歳である。臥薪嘗胆の30代を経て、ついに2度目のSG制覇を果たした。これは個人的にも実に嬉しい! 山口の全盛期はこれからだ。新世代の台頭も目立ってきたなか、その真剣勝負スピリットで元祖やまと世代の強さを見せ続けてほしい。(黒須田)
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