
SG第61回ボートレースクラシックin蒲郡レポート
変わらぬもの

優勝戦を逃げ切って、ピットに凱旋してくる峰竜太。その姿を見ながら、自然と2年半近く前のことを思い出していた。
あのときも逃げ切りで、戻って来た場所も同じ。23年10月、ここ蒲郡でボートレースダービーを優勝し、26年3月、同じ蒲郡でボートレースクラシックを優勝。あの日の再現を見ているかのような光景なのだから、そのときのことがフラッシュバックするのも当然だ。
あのときも泣いていた。出迎えたメンバーは今回と少し違ったけれども、峰は感極まったように涙を流した。そして今回は、いきなり愛弟子の定松勇樹に抱き着いて泣いた。いや、ヘルメットをかぶったままだったから、涙自体が見えたわけではないけれども、そのアクションがとても湿っぽいものだった。
あのダービーはSG復帰戦だった。懲戒を受けてしばらく大舞台を踏むことが許されなかった峰。その期間が明けて、最初のSGであるダービーに峰はやはり出場を果たした。そこでいきなり優勝する、それは峰にとって決意であり、ある種のノルマのようなものであったようだ。それを成し遂げるのは言うまでもなくとてつもない難業なのだが、峰はそれをやってのけた。SGに出られなかった時期、その原因となった出来事、そこで峰が思ったこと感じたこと、そういったものが一気に峰の脳裏を駆け巡ったことだろう。もともと涙もろい峰が落涙するのは自然なことだし、こちらも何も予想外なことではなかった。
では今回の涙はなんだろう。あのときとは確かに違うように見える峰の泣き顔。それを彼はいろいろと説明するだろうが、その真意はともかく、不惑を超えても泣き虫王子であることに、約2年半近く前の姿を重ねながら、変わらぬこの男の強さを見たのだった。同じ蒲郡で見せた同じような光景だったから、なおさらそう思えたのかもしれない。
会見で「この光景は最後になるかもと思った」と峰は語っている。そりゃあ現実になることだってありうることだけど、そう思ったのは実は峰竜太だけではないか、とも考えるわけである。(黒須田)
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