
GⅡ第7回全国ボートレース甲子園inびわこレポート
E30ガソリンで開催されたビッグレース
秋元哲が栃木の威信背負って快進撃

この大会でおおいに注目されたのは、やはり「E30ガソリン」であった。ボートレース業界がカーボンニュートラル対応の一環として試験導入した「エタノール30%配合ガソリン」。ボートレースびわことボートレース大村でテスト実施され、びわこでは5月1日の新モーター初下ろしから全国ボートレース甲子園まで、この燃料を使用してのレースが行なわれている。全国的に注目される甲子園で、この新燃料がどんな影響をもたらすのかは今後の本格導入に向けても試金石と言えた。
選手の多くが口にしたのは「起こしが鈍い」「行き足が鈍い」というもの。それでいてその先からは通常燃料と同じような動きとなるため、ピットには「85mから伸びる」という標語掲示が貼られてもいた。ようするに、スタートが難しい、というわけだ。
それもあって調整にも戸惑う選手もいただろうが、熱戦が展開されたのはいつも通り! 違和感はありながらも対応して、魅力あるレースを繰り広げるボートレースたちはさすがというしかない。舟券的な傾向については別項に譲るが、選手たちの感触は別として、観戦する分には47都道府県代表たちの激闘を堪能できたと言っておこう。

快走を見せたのは、栃木県代表の秋元哲だ。初日は6号艇で登場して3着に入ると、その後はオール2連対の大活躍。4日目は連勝を果たしており、予選最終走となった12Rは5号艇での出走で、5コースからまくり差し一撃。同じレースを戦った平本真之、11Rを逃げ切った関浩哉との予選トップ争いを自力で制して首位通過をもぎ取るという、素晴らしい戦いぶりだった。準優勝戦もしっかりと逃げ切って、優勝戦1号艇を手にしている。
地元勢も活躍した。馬場貴也は予選で4着1回はあるものの、しっかり着をまとめて予選3位通過。丸野一樹は初日連勝発進で、道中はやや大きな着順もあったものの、きっちり準優出を果たしている。準優は3コースからまくり一撃! うねり始めた水面で、インは落とさざるをえなくなると判断しての外マイ攻撃で、まさに地の利を生かした格好だった。この大会の4日目に、来年度のSG開催場が発表され、びわこではオーシャンカップの開催が決まっていた。03年チャレンジカップ以来のびわこSG出場に向けて、GⅡ優出はポイント上積みという意味でも大きい。その気合を見せつけた優出と見ることもできよう。
ボートレース場がない道府県出身レーサーも随所で活躍を見せた。秋元も栃木出身だし、大分県代表の渡辺浩司も好機を味方に準優出。甲子園初出場となった岩手県代表の中澤和志も準優に駒を進めている。また、新潟県代表の金子和之はマンシュウ2本を叩き出した。今年の甲子園の“ホームラン王”!
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