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TOP特集連載記事峰竜太選手インタビュー(2026年6月号)

峰竜太選手インタビュー(2026年6月号)

3月のSGボートレースクラシックを制した峰竜太。その9日後に、峰選手が本誌編集部を訪れた! 6月号に掲載されたそのインタビューをぜひご覧ください! インタビュー・文/黒須田守

充分な仕上がり

――まずはボートレースクラシック優勝、おめでとうございます。
峰 ありがとうございます。
――そのクラシックで気になる言葉があったので、それについて訊きたいと思います。
峰 うん、何?
――まずは、1号艇で優出を決めて、記者会見に臨みましたね。そのとき、足色を問われて、「充分な仕上がりです」と応えたんです。その真意を訊きたい。
峰 真意というか……蒲郡のダービー(23年・優勝)のときは節イチという感じだったんですけど、今回はそれには足りないというのは明らかにわかっていて、それは僕以外の人もわかっていたと思います。上位級に入るか入らないかの足、かな。(他の選手に対して)足負けもあったと思うんですよ。
――ふむ。
峰 大上(卓人)くんは出ていたしね。伸びの差はあったと思う。それでも「優勝するには充分」ということなんですよ。
――優勝するには充分。
峰 もし大上くんがゼロ台後半のスタートだったとしても、まくられる足ではないということ。タッチスタートを来られたらわからないけど、そこまでのリスクは張ってこないだろうし、だったらイン逃げするには充分な足だったんですよ。それともうひとつの意味は「これ以上は出せない」ということ。
――もともとワースト級のモーターでしたよね。序盤は整備しまくってました。
峰 久々にあんなにやりましたね。それもあって、限界までは出せてたんですよ。重たさはありましたよ。なにしろ3周、ぶん回ることができなかったですから。でもそれは我慢していたし、コメントとしては「もっと回転を上げたい」とか言えるけど、それをすると失う足があるし、だから「なんとかギリギリまでは出せている」という意味も入っています。
――なるほど。ただ、少し前の峰竜太だったら、それでも「出てます」って言ってたと思うんです。
峰 あ、そうですね。たしかにたしかに。
――自分を鼓舞する意味でも、出ていなくても出ていると、かつての峰竜太は言っていたでしょ。
峰 たしかにたしかに。でも、あそこで「出てます」っていうのは嘘になっちゃうんですよ。だから、それは違うかなっていうのはありましたね。ただ、勝つには充分な足ではあった。だから、「任せてください」っていう意味もありましたね。舟足とかはともかく、勝つんで任せてください、という。舟足を質問されているのに「勝ちます」って言っているようなものですね。
――なるほどね。
峰 覚悟が違うから大丈夫ですということはあそこでは言えないんですけど、「充分です」という言葉にはそういうパワーがあるんじゃないかと思った。だから、あの言葉はけっこう考えて言いましたね。
――具体的なことを言うんじゃなくて、その一言に思いをこめた。
峰 そうです。だって、勝てばワースト足でもいいわけじゃないですか。
――モーター出し勝負じゃないんだから。
峰 そう、1着を獲っておけば、ワースト足でも乗りにくくてもいいわけですよ。
――1着を獲るには「充分」だったと。でもね、それでも昔の峰竜太だったら「出てます」って言ってたと思う。
峰 ああ、言ったかもしれない。
――その違いは何なのか。大人になった?
峰 正直言っていいですか。
――お願いします。
峰 昔は背負ってました。
――背負ってた。
峰 僕の一言でオッズが変わることもあったしね。だから、出てないとは言わない、というのが自分のなかにはありましたね。出てますと言いながら「出てないだろ、こいつ」と思われても、1着を獲ったら何も言われないじゃないですか。だから、責任取って「出てます」と言ってるところはありましたね。でも、もうそういうのからは解放されてます。
――解放された。
峰 SGのドリーム戦で全部1号艇だったときがあったでしょ(21年。SGの選考順位がすべて1位だった)。あのときは本当に気持ちが張っていて、孤独でしたね。自分が一番って気持ちでやってました。今はもう自分の弱さも受け入れて、できないことも受け入れて、若い人たちのほうが上手いってのも受け入れて、もう一番ではなくていい。責任とか使命とかスター性というのはまだあると思っていますよ。それでも、テクニックとか才能とか実力とかいう部分では上がいる。
――そう、「充分な仕上がりです」という言葉に、「自分より出ている選手もいるけど、それを受け入れている」という感覚を僕も受けたんですよ。かつては自分がいちばん出ていると思い込もうとしている感覚があったんですけどね。これは進化じゃないかと思う。
峰 いま、すごく柔軟なんですよ。他の人にも助言ができるようになったし、昔はバチバチでやってましたけどね。弟子たちにも、お前たち頑張れよって余裕。昔は自分だけ頑張ってたけど、今はその余裕が出てきた。もうそれくらいでいいんじゃないかな。戦いは戦いだけど、みんながうまくいってくれたらいいなという。

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