
SG第72回ボートレースダービーin津 レポート
ボートレースに明るい光を灯した

昨年のボートレースオールスターを定松勇樹が制した。5000番台初のSG制覇。21世紀生まれ初のSG制覇。さまざまなトピックと未来への期待が詰まったニューヒーローの誕生だった。
末永和也は、その場に立ち会って1期後輩の快挙を目の当たりにした。どんな思いで、歓喜に沸く場面を見ていただろうか。ボートレーサー養成所の124期、125期、1126期チャンプは佐賀支部から出ている。末永、定松、常住蓮。近況、佐賀勢は充実一途と言うしかないほど一線級で活躍するトップレーサーを輩出しているが、そうしたなかにあって、彼らの存在はさらに先の未来までの光である。いちばん先輩である末永は当然、自分がその世代のフロントローを走るものと信じていたはずである。GⅠ優出も、GⅠ優勝も、3人のなかでは一番乗り。SG出場もそうだった。たしかに、末永は佐賀養成所チャンプ軍団の先頭を切っていた。だが、SG制覇は後輩に先を越された。まあ、先を越されたというのは、外野の人間の感覚でしかなく、同世代の快挙は喜ばしいものであっただろう。だが、大きな大きな刺激を受けたのは間違いない。次は自分が! そうした思いは、常住とともに強く抱かれたはずである。
末永にとってその日は、約1年半後に訪れた。ボートレースダービー優勝。5000番台では2番目のSG優勝だが、もう順番は関係ない。タイトルを手にしたからには、同じSGウィナーとして定松と切磋琢磨していくことになろう(常住も早く追いつこうと意欲を燃やしているはずだ)。そしてそれは、佐賀支部だけでなく、ボートレース界全体の未来に明るい光を灯すものでもある。しばらく出現しなかった20代のSGウィナーは、一昨年の羽野直也から定松、末永と立て続けにあらわれることとなった。このこと自体ももちろん嬉しい出来事だ。あとはさらに実績を積み重ねて、灯した光をさらにさらに明るく、大きくしていくのみだ。彼らの物語はまさに始まったばかりなのだ。(黒須田)
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