
PGⅠ第1回スピードクイーンメモリアルin浜名湖レポート

「スピード」も「メモリアル」も存在感発揮!
独特の輝きを放つ新たなる女子ビッグだ!
走破タイムがテーマという、これまでになかった切り口のビッグレース。スピードクイーンメモリアルは、戦前から喧伝されていたとおり、かなり斬新な新設ビッグである。節間毎日、確実のトップタイムの選手を表彰したり、JLCの中継でラップタイムが表示されたりと、さまざまな趣向が凝らされたのは実に楽しい試みだった。来年からも2月の風物詩として、この斬新さに浸る6日間となるだろう。
その意味では、最多5場で最速タイムをマークしてドリーム戦1号艇に選出された浜田亜理沙の不振は意外と言うしかなかった。今大会の圧倒的主役と目されながら、ドリーム戦こそ制したものの、まさかの予選落ち。一昨年のクイーンズクライマックス優勝以来の充実ぶりを考えれば、思うように得点を積み重ねられずに苦戦する姿は予想外だったと言っていい。来年の鳴門大会では、この雪辱を果たさんと闘志を燃やすことだろう。
それが象徴する、というと言い過ぎかもしれないが、ボートレースはもちろんスピードだけがその要素ではない。優勝戦に進出した6名のうち、各場の最速タイムをマークして選出された選手は2名。過半数が「メモリアル」の部分である各場の推薦選手または施行者希望選手だった。そう、レースタイトルでいえば、今回はメモリアルのほうが優勢となっていたのである。

節間の1着回数を見ると、最速タイムでの選出組=37勝、各場の推薦もしくは施行者希望組=35勝とほぼ互角。予選突破もタイム組=8名、推薦組=10名とほぼ互角。「スピード」で選ばれた選手が強かったとも、「メモリアル」で選ばれた選手が強かったとも言えない、まさしく両者真っ向勝負の一節だった。つまり、しっかりとボートレースの総合的な魅力が詰まっていたシリーズだった、とも言えるわけである。
そうしたなかで、地元である丸亀で最速タイムを出して出場した平高奈菜が、予選トップ通過を果たしてそのまま優勝するという王道V。第1回大会で、注目された「スピード」の部分を担った一人が、しっかりと強い勝ち方を見せたというのは実に幸先のいいことだろう。独特の選出方法により、今までGⅠには出場したことがなかった選手が選ばれた今大会。同時に、大会の威信を担保するかのように存在感を発揮した強豪の奮闘も目立った今大会。さまざまな立場の選手が目指せるタイトルとして、来年からも独特の輝きを放つ一戦となることだろう。
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