
PGⅠ第13回ヤングダービーin若松レポート
誇れる優勝だ

機力は決して上位とは言えなかった。初日10Rで3号艇からピット離れで飛んでインを奪い、見事に逃げ切っているが「3コースからまくり差せるイメージがどうしても沸かなかった」と、ピット離れが出た瞬間に迷わずインを目指したものだった。つまり、モーターパワー的にセンターから自力で攻め込めるだけの感触はなかったのだ。
懸命に調整を続けたものの、納得のいく仕上がりには持ち込めず。それでも予選4位で準優出を果たしたのは立派と言うほかなく、この世代では力量が上位であることを示したものと言えよう。準優も、6コースから伸びた島川海輝に先行を許すものの、なんとか戦えるところまでは底上げしていた回り足で捌いて2着。テクニックで優出の座を掴み取ったものだった。
直線足を中心に節イチに仕上がっていた竹下大樹のひとつ外枠に入った優勝戦。機力を考えれば、これは幸甚だったかもしれない。展開も願った通りとなった。3カドから竹下が伸びて、攻める展開。これに2コースの大澤風葵が舳先を掛けて突っ張った。大澤も仕上がりは良かったのだ。そして、1号艇の西丸侑太朗もその2人を牽制するように先マイを放つ。ただ、その展開を単にツイていたと片付けるわけにはいかない。竹下が攻めていった瞬間に鋭く差しハンドルを入れていた宮之原は、ターンマークを舐めるように回る素晴らしい旋回で、差し切り一閃。展開の読み、ハンドルワーク、スピード、すべてが文句なしのVゴールだ。
宮之原はレース後、この優勝について「他力」を強調した。たしかに、竹下が攻めてくれたからこそ、そして内の2人もそれに反応したからこそ、勝ち筋が浮かび上がったのは事実だ。しかし、その勝ち筋を誰もが、必ず、モノにできるわけではない。ボートレースはそんなに甘くないだろう。機力優勢とは言えないながらも勝ち抜いた、宮之原のその技量があったからこそ、チャンスを逃さなかったのだ。竹下のひとつ外の枠を手にできたのも、機力不足を補って予選4位通過をしていたからだ。宮之原が謙遜したとしても、それは決して真実ではない。宮之原の勝利には確実に「自力」がけっこうな割合で含まれている。
そして宮之原は、GⅠ初優勝ながら水神祭を行なわなかった。「世代限定GⅠ」であることを理由にしていたが、その意気や良し。それもまた謙遜で、世代限定だから勝てるほど簡単なものではないが、宮之原がそれ以上のハードルを自分に課しているのだとすれば、それは高い意識だと言っていいだろう。宮之原輝紀よ、そこまで謙遜する必要はない。間違いなくこの優勝は、自分でもぎ取った誇れる優勝だ。(黒須田)
第13回ヤングダービー 優勝戦
9月27日(日)12R 曇り 向かい風1m 波高1cm
着順 艇番 選手 コース ST タイム
1着 ④ 宮之原輝紀(東京) 4 .19 1’48’8
2着 ① 西丸侑太朗(香川) 1 .18 1’49’8
3着 ⑤ 中亮太(福岡) 5 .18 1’52’3
4着 ③ 竹下大樹(福岡) 3 .15 1’54’0
5着 ⑥ 清水愛海(山口) 6 .20
6着 ② 大澤風葵(群馬) 2 .19
決まり手=逃げ
2連単 ④-① 2800円(9人気)
2連複 ①=④ 680円(3人気)
3連単 ④-①-⑤ 11580円(34人気)
3連複 ①=④=⑤ 1450円(6人気)
単勝 ④ 1030円
複勝 ④=260円、①=110円
拡連 ①=④ 210円 ④=⑤ 700円 ①=⑤ 350円
<レース展開>竹下が3カドに引いて、枠なり12/3456の並び。竹下がスリットから伸びていくが、2コースの大澤が叩かせずに粘り、さらにイン西丸が両者を制して先マイを放った。西丸は2艇を牽制した分流れ気味になり、ポッカリ開いた最内を宮之原が的確に差し込む。ターンマークすれすれを見事に差して、先頭に立った。西丸は2番手となり、2マークは清水が内から迫るものの全速で交わす。2マーク差した中も猛追するが、西丸はこれも全速で交わして2番手を獲り切った。中が3番手。
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