
新概念データ今昔~本誌オリジナルデータで見るボートレーサーの変遷~(2026年9月号)
新概念データで見る
吉田拡郎
の今昔

今月は6~7月のビッグレースを制した2人を取り上げよう。まずはグランドチャンピオンを優勝した吉田拡郎。14年オーシャンカップ以来2度目のSG制覇を果たし、グランプリ出場も当確ランプ。今年の夏から秋はベスト6でのグランプリ出場を目指す戦いを繰り広げることになる。
吉田のイメージといえば、センターからの攻撃力。スリットから軽快に伸びての強攻というのが、強く印象に残る。しかし、過去10年の新概念データを紐解くと、必ずしもまくり一辺倒というわけではないセンター戦となっている。むしろ自在性が高いと言うほうがしっくりくるような数値なのだ。3コースでは、24年に差し1着が最も多い決まり手となったりしており、これは少々意外だった。4コースはまくりがやや優勢という感じではあるが、まくり差しや差しでの勝利も少なくない。キャリアを重ねるうちに展開をとらえる戦いぶりに磨きがかかったと言うべきか。
ただし、現在の3コースと4コースはまくりに偏っているデータとなっている。ここにきて強攻寄りのセンター戦になっているのだ。タイトルを手にしてこの傾向が変化していくのかどうか、注目しよう。
もうひとつ、外コースもそれほど苦にしないタイプであるというのは、10年間のデータを通して見て取れる。さすがにまくり差しが主体となっているが、6コースから複数の勝利をあげている年もあるし、23年には5コースでまくりとまくり差しで8勝。機力次第という部分もあるにせよ、足が良いときには外枠でもまったく軽視できない選手なのだ。現在の数値でも、5コースと6コースの成績は上々である。
そうしたなかで、10年間変わらぬ傾向となっているのは、1コースまくられ率の低さだ。この10年間、そして現在もずっと1ケタ。2ケタとなった年は皆無である。それも17年と19年、23年以外は5%未満であり、まくりで負けることがレアとも言えるイン戦だ。同時に、差され率もそこまで高いとは言えない。21年と24年に20%を超えてはいるけれども、これはむしろ例外ととらえるべきかも。すなわちイン信頼度は一貫して高い選手ということであって、さらにまくりをほとんど許さないイン速攻タイプということである。
2コースでは差し主体が基本であり、逃がし率はまちまちといったところ。昨年、その昨年のデータが半分くらい含まれている現在ではまくり回数が差し回数に接近しており、逆転することがあるかどうか。これが3コースや4コースのまくり偏重と関係しているのであれば、近況は直線系統が仕上がりやすくなっていると考えていいだろう。

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