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TOP特集連載記事丸野一樹インタビュー(2026年8月号)

丸野一樹インタビュー(2026年8月号)

SG制覇も間近と目されて数年。なかなか結果を出せなかった丸野一樹が、ついにタイトルに辿り着いた! ボートレースオールスターでSG初V! 苦しい時期もあった。流れの悪さに翻弄された時期もあった。しかし紆余曲折を乗り越えて、丸野はタイトルホルダーとなった。SGウィナーの栄誉を手にした丸野がその思いを語る。 インタビュー・構成/黒須田守

GⅠ9Vが活きた

――準優の日も優勝戦の日も緊張しつつ過ごしてたでしょ。
丸野 準優の日のほうがしんどかったですかね。関門をひとつ乗り越えないといけないですからね。準優は水面状況もしんどかった。優勝戦くらいの向かい風だったらまだ大丈夫かってなるんですけど(優勝戦は向かい風3m、準優は向かい風5m)、あんなに強く吹くとまくられる心配もあったし、初動で失敗したら10Rの河合佑樹さんみたいになりかねない(先マイも流れて敗退)。あの向かい風での初動って難しいんですよ。だから、すべてに気を使わないといけなくなってくるんです。
――なるほど。
丸野 起こしで少し風がはらんだりすると一発でアウトだし、もし(しっかり)起きなかったときのために早めに仕掛けないといけないし。実際、準優の12Rは展示の起こしよりコンマ2秒早く起こしてるんですよ。展示ではしっかり起こしてコンマ10くらいだったと思うんですけど、本番は12秒針が回り始めたときに向かい風が強く吹いた感じだった。それで瞬時にコンマ2秒早く起こしたんですよ。
――それ、勇気がいるよね。
丸野 いや、怖いっすよ。その前にインが2人飛んでるわけで(準優10R、11Rでインが優出を逃した)、起こす前に感じた突風で「やっぱりインじゃない流れやな」と思って、だから腹括ってしっかり仕掛けたんです。風をはらんだりはしなかったけど。
――でもそうなると、かなり早い起こしになってるでしょ。
丸野 だからといって80mで放ってしまうと、スピードが乗ってないところで放ってしまうことになるわけですよ。だからとりあえず45mまで行って、そこで1回放ってるんです。残りの2秒3秒というのは怖いですよね。
――イン逃げも簡単じゃないってことですよね。ただ、緊張もしてるはずなのに、かなり冷静ですよね。
丸野 ですね。判断としてはすごく良かったんじゃないかと思います。
――そのへんのメンタルが強いのかな。
丸野 GⅠを9回獲ってるのが活きたんだと思います。
――!!!
丸野 もしGⅠを獲ってなくて、それで同じ状況が回ってきたとき、一緒の判断ができたとは思わない。GⅠでも優勝戦1号艇を何回か経験してきて、プレッシャーに対して、緊張感に対して、質の高い練習ができてたんだと思いますね。それは一般戦では味わえないことなんで。
――GⅠたくさん勝ってるのにSGで結果が出てないって、僕はテーマであるかのように話をしてきたわけですけど、実はちゃんとつながってたんですね。
丸野 そうだと思いますね。
――結果、しっかり逃げて優勝戦も1号艇。優勝戦の朝も緊張してましたよね。
丸野 準優とは違うけど、緊張してましたね。でもスタート練習からいい練習ができてたし、展示もコンマ01だったかな、入ってるなかでキワキワの景色が見られたのはよかったと思います。
――つまり、しっかり準備が整ったなかで優勝戦1号艇に入れたんですね。
丸野 だと思います。流れも足も良かったですからね。スタート練習から定松くんが僕よりいい行き足をしてましたし、しっかり仕上げてきてるなって感覚はありました。でも慌てたりはしませんでした。逃げるには充分な仕上がりでしたし、スタートの景色に関してはレーサー人生でも一番じゃないかってくらい見えてましたね。だから、自分のターン態勢に入ることさえできれば絶対に勝てると思ってました。
――いやあ、いざ獲ってみると、丸野さんは強いね、いろんな意味で。
丸野 今節は強かったなと思いますね。
――10年前に出会ったヤングダービー初出場初優出の若者が、本当にたくましくなったなと思います。
丸野 ありがとうございます。
――このSG制覇がこの先々への手応えにつながってますか。
丸野 やっとここから始まったという気持ちではいますね。ぜんぜん満足はしてないですから。やっと複数、2回3回4回獲るためのスタートがまた始まったのかな。レーサーになったときのひとつの目標にはいったんゴールしましたけど、そこからいっぱい道が広がっている感じです。
――先々の話というのは、当然オーシャンカップも含まれています。地元SGですよ。SGウィナーとして地元SGに臨めるわけです。
丸野 ほんと、2大会前にSGを勝って、レーサーになっていちばんの旬を迎えてオーシャンに行けるのはラッキーだと心から思います。びわこSGは20何年ぶりなんで、自分がSGに出られるときに迎えられたことの感謝は感じてますね。去年から「びわこオーシャンカップがありますが?」って質問はめちゃくちゃたくさんいただいてるんですけど、SGを勝って行くのと勝たずして行くのとでは気持ちの持ちようとかがだいぶ変わってくると思うんですよ。だからオーシャンの前にSGを獲れたっていうのは本当に大きかったと思いますね。
――どんな思いで地元SGを走りますか……って、今まで走ったことがないので、どんな思いになるのかわかってないのかな(笑)。
丸野 わかってないですし、ほんまにびわこでSGあるのかなってところもある(笑)。ファンの方や皆さんと一緒でまだ他人事のようなところがありますね、正直(笑)。まあ、オーシャンに出るためにって1年間しっかり準備してやってきて、ドリーム戦には乗れませんでしたけど、最低限出場するのはクリアできたので、その部分では良かったと思いますね。
――もちろん自分が優勝するのが一番ですけど、滋賀支部で獲りたい、って感じもあります?
丸野 それもありますね、やっぱり。3人優出して誰かが獲るのがいちばんの理想だと思うんですけど、それもなくはないと思うんですよ。オールスターだって1号艇・丸野、2号艇・遠藤エミって優勝戦もありえたわけなんで、夢物語ではないと思います。
――最後に、これでグランプリは当確です。2年連続で悔しいところで出場を逃したわけですが、当確となった今、何を考えてますか。
丸野 やっぱりベスト6からですね。
――そうですよ!
丸野 それを言える立場にやっとなれたかなと思います。
――まあ、今まで2回1stから出て、いずれも勝ち上がってるんですけどね。
丸野 やっぱり綱渡りの2日間は嫌ですね(笑)。獲るなら2ndから、その思いはありますね。
――大村グランプリには落とし物があります。
丸野 そうですね。大きなものを落としたので、まずは回収しにいかないとね。あれは人生のターニングポイントのひとつなので、今度はいい意味での転機を迎えたい。あのフライングでどん底まで落ちたけど、その後の行動で未来は変えられる、あれがあったからこそ今があるんだよ。それを10年後くらいに言えるようにやっていかないといけないと思います。
(6月6日、リモート取材)

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