
SG第40回グランプリin住之江 徹底展望!
グランプリ初優勝適齢期がある!?

グランプリ初出場初優勝は、過去3名しか成し遂げていない偉業。勝ち上がり過程が独特で、その年のトップ18が争うレベルが極限までに高い戦い、さらには年間最大のレースならではのヒリヒリした緊張感、やはり未経験の選手にはハードルが高くて当然である。
では、いったいどのくらいグランプリを経験すれば優勝に辿り着けるのだろうか? もしかしたら「グランプリ初優勝適齢期」みたいなものがある?
というわけで、14年以降のグランプリ優勝選手の、「その時点でのグランプリ出場回数」をまとめてみた。
年 優勝者 出場回数
2014年 茅原悠紀(岡山) 初出場
2015年 山崎智也(群馬) 12回目
2016年 瓜生正義(福岡) 12回目
2017年 桐生順平(埼玉) 4回目
2018年 峰竜太(佐賀) 5回目
2019年 石野貴之(大阪) 7回目
2020年 峰竜太(佐賀) 7回目
2021年 瓜生正義(福岡) 15回目
2022年 白井英治(山口) 10回目
2023年 石野貴之(大阪) 10回目
2024年 毒島誠(群馬) 11回目
いかがだろうか? なお、15年の山崎智也はこれが2度目のグランプリ制覇。12年に初優勝を果たしており、それが10回目の出場だった。
その山崎もそうだが、近年のグランプリ初優勝は実に2ケタ出場で辿り着くのがザラなのである! 昨年の毒島誠にしても、それが11回目の出場だった。優出も、これが7回目。あの毒島でさえ、山ほどの涙を流してようやく、黄金のヘルメットを手に入れたのである。瓜生正義はこの10年で2度のグランプリ制覇を果たしているが、初優勝は16年。これが12回目の出場だった。グランプリ初出場は03年で、いきなり準V。しかし13年も優勝には届かず、優出は毒島同様に7回目だった。瓜生もまた、悔しさに山ほど耐えながらグランプリウィナーに輝いているのだ。
そう考えると、茅原の初出場初優勝はやはり偉業だし、4回目で優勝した桐生順平、5回目で優勝した峰竜太も素晴らしい優勝だった。峰は7回目で2度目の優勝も果たしているのはさすが。また7回目で優勝を手にした石野貴之は、4年後に10回目の優勝で2度目の優勝。これもまた偉大なる優勝だったと言えるだろう。

今年の出場選手で、グランプリ未優勝で出場回数が最も多いのは、原田幸哉だ。これが8回目のグランプリ。初出場は02年だったから、あれから23年の時が経った。原田はどういうわけかグランプリと相性が良くなく、優出は22年の1回のみ。誰もが認めるトップスターなのに、グランプリの女神はなかなか微笑んではくれないのである。原田はダービー中に50歳の誕生日を迎えた。松井繁が20年に51歳で優出を果たしているが、原田もその域に到達している。あの松井でさえ、優勝戦3着のメダル授与式では「この年になると、グランプリで優出するのはなかなか大変」とこぼしていたものだが、原田も同じことを感じるのだろうか。
原田に次ぐのは、今回が7回目のグランプリ出場となる馬場貴也だ。馬場の初出場は18年。この間、グランプリ出場を逃したのは20年のみで、一気にグランプリでの経験を積み上げてきたことになる。22年~24年には3年連続でトライアル2nd初戦1号艇という素晴らしい活躍。しかし優勝はまだ掴めていない。
原田にしても馬場にしても、まだ出場回数は2ケタに届いておらず、これまでの数々のウィナーよりもグランプリキャリアは浅いことになる。ただ、もし初優勝適齢期なるものがあるのなら、最も近いのがこの2人ということになるだろう。12月21日の夜、果たして初めての黄金のヘルメットの重さを感じることができるだろうか。
なお、桐生は今回が11回目の出場。茅原が8回目の出場。「2度目の優勝」にも適齢期があるとするなら、該当するような気もするのだが。あと、峰が11回目の出場、池田浩二が16回目の出場で、松井繁が09年に3度目のグランプリ制覇を果たしたのが12回目の出場でのことだった。峰と池田は「3回目の優勝」適齢期にハマっているような……。
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