
黒須田守のボートレースと旅打ち酒の日々(2026年7月号)
●4月20日~26日 ボートレース宮島


宮島遠征時はJR広島駅前に宿泊。お気に入りの酒場街といえば、なんといっても「エキニシ」なのである。かつては青線地帯だったという彼の地は、当時の面影が色濃く残る街並みで、昭和の香りが漂う地域。やや古めかしい建物群に大衆酒場がズラリ並び、僕の嗜好にドンピシャな呑み屋街である。ちなみに、先月号まで連載していただいていた深堀慎一郎さんに教わって知った街だ。
しかし、今回のマスターズチャンピオン遠征では、ついに一度も足を踏み入れなかった! 大衆酒場ブームというのか昭和レトロブームというのか、エキニシの注目度が高まって、新しいお店も増えて若者の姿が非常に目立つようになったという、地域の軽い変貌ぶりも理由ではある。ただ、知ってしまったのだ、広島駅周辺の良き呑み屋を! きっかけは、今年の元日に「BBスタッフ毎月旅打ち」連載で宮島初詣旅打ちを敢行した際に、駅ビル「ekie」内に立ち呑み屋があるのを知ったことだったかもしれない。元日ということもあって、エキニシをはじめ駅前周辺はこぞってお休みで、ようやっと辿り着いたのがその立ち呑み屋「寅卯」さん。今回も前乗りした日曜夜に訪れて、広島名物のがんすや絶品カレースパサラダに酔いしれた次第なのだが、そのとき改めて「新たなお気に入りの発掘を!」の思いが沸き上がってしまったのだ。そしたら、あるわあるわ!


まず、新幹線口のホテルや住宅が並んでいるなかでポツンと2軒、感じのいい看板を光らせていた「あさひ」さんと「源吉」さん。あさひさんは海鮮系が絶品すぎ! タイラギ貝の造り、ハタの造りの新鮮さと味わいの濃さといったら! 広島名物のコイワシ天ぷらもまたしみじみ美味く、たまらず日本酒を注文してしまった。メニューの日本酒が「大」と「小」のみというのも素敵。広島の地酒である亀齢を出しているそうなのだが、いちいち銘柄を記さないあたりが潔い。源吉さんはメニューがバラエティに富んでいて、チキンのカレー煮と新玉ねぎ揚げがヤバかった。後者は旬の新玉ねぎを丸ごと素揚げにしたものなのだが、これにソースとマヨネーズをかけてお好み焼きふうのルックス。新玉ねぎの甘みとマッチして、プレーンサワーが進んだのであった。



「博多とんこつラーメン」さんは、これが屋号なの? そう訝しく思えてしまうわけだが、いや~、味わい深い呑み屋なのである。畠山シュー長が前回の広島遠征で発見し、「居心地抜群なんだよ!」と力説。行ってみたら、確かに! ラーメン屋のたたずまいながらも、タイの刺身が絶品だったり、赤ウインナーは思い切り癒やしの味だったり、完全に大衆酒場然としたお店なのである。あ、ラーメン食べるの忘れたなあ。次回の宿題としよう。

駅前ではないのだが、繁華街である流川にある「新京本店」さんにも痺れた。かつて本誌連載陣の一人だったサンスポの小出大輔記者から教えてもらったお店で、広電の胡町(えびすちょう)が最寄り。入店するとカウンターのみのお店で、ガラスケースにはお造りから煮物、揚げ物、炒め物まで、さまざまな肴が並んでいる。お店の看板に「元祖カレー汁」とデカデカ謳われていて、いわゆるカレールーがもう、たまらん美味さ! このカレー汁も含め、肴にライスをつけて食事として利用するお客さんも少なくないようで、おいおい、これはもう広島の「エビス屋昼夜食堂」ではないか! これが胡町にあるというのがまたたまらん。広島駅前宿泊でも、これは次回からも通うことになるなあ。
というわけで、エキニシ以外のお気に入りが一気に増えた宮島マスターズ。うーん、広島に限らず、もっと新規開拓していかないとなあ。
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