
PGⅠ第26回マスターズチャンピオン節間最新レポート【3日目】

<今日のベストレース>
8R 中辻崇人 5コースまくり
伸びを仕上げてまくり連発でピン量産。そのスタイルが昨年の最多勝につながった。例えば菅章哉のような伸びタイプとはまた別種ではあるものの、中辻崇人は今、最も強烈なまくり屋の一人である。
この大舞台でも、伸びまくりが炸裂! 2日目の4カドまくりも強烈だったが、インパクトは今日の8Rのほうが大きかったか。5号艇で登場のここは枠なり5コース発進。やはりスリットから軽快に伸びていったのだが、機力を立て直してきた鈴木博が4カドから抵抗。やすやすとはまくらせずに、先に内を叩こうとした。それでも伸びる中辻は鈴木をねじ伏せにかかり、1マークではまくり競りの格好に。鈴木も中辻も大きく流れ、6コースから展開を突いた上平真二がアタマかというシーンとなっている。
しかし中辻のパワーは凄まじかった! 鈴木を外から交わし切ると、その勢いでバック水面へ。かなり外側を走りながらも、上平の差し切りを許さず、堂々と先頭に立った。まくった選手のさらに外からまくることを二段まくりというのだが、これも二段まくりになるのか!? まさに圧巻のまくり一撃で、その時点での得点率トップに躍り出たのだった。
最終日は1号艇と4号艇。逃げてまくって、で予選トップ通過の可能性も充分。“一般戦の鬼”がPGⅠでも鬼のような強さを見せている。

<ピットから>
レース間の試運転で、あまり見かけないシーンを今節はたびたび目撃している。試運転はターン回りの足色や、直線での足色を確認し、さらなる調整につなげるもの、というのが一般的。ところが今節、特にイン水域でデッドスローに落とし、まるでスタートの起こしのようにレバーを握り込んでスリットを駆け抜けていく選手が続出しているのだ。
よく見ると、大時計の12秒針が回りっぱなし! つまり、やろうと思えば試運転のあいだじゅう、スタート練習を行なうことができるわけだ。スリット写真はさすがに撮影していないだろうが、起こしとスリットでの感覚をつかむためには効果的と思われる。
JLC専属解説者の廣町恵三さん(元群馬支部レーサー)に訊いたところ、桐生では昔から行なっているそうで、さらにキャスターの犬丸美帆さんが検査員さんに尋ねると一般戦でもしばしば行なわれているという。これまで何十回と桐生に来て、取材もしてきたはずなのに、今回初めて気づきました。
これ、全国的に行なえばいいのに、と思った次第だ。さまざまな事情はあろうが、スタート事故防止のためには検討されてもいいはず。選手のスタートの質が上がればレースはエキサイティングにもなるのだし、ファンにも歓迎されると思うのだがどうか。
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