
SG第35回グランドチャンピオン節間最新レポート【最終日】

<ピットから>
池田浩二を出迎えた愛知勢。平本真之、磯部誠、吉田裕平が、池田が1マークを先に回って先頭に立ったとき、やけに冷静だったのが印象的だった。先輩がSGを逃げ切ったのだ。喜びを爆発させるかと思ったが、そうではなかった。そう、池田のSG優勝を、後輩たちは何も特別なこととは捉えていないのだ。これはまさしく、池田浩二が最強戦士の証し! 仲間たちの振る舞いが、池田の強さを際立たせていたのである。
そんな池田が、記者会見では「出来すぎ」と語るのだから面白い。本人は、この年齢でSGを獲ることを想像していなかったのだという。仲間や、あるいはファンは十分に想像していたというのに。ピットに帰還して、後輩に出迎えられたときに見せたとびきりの笑顔。それは、心からの歓喜の笑顔だったということだ。

地元勢のレース後はやはり沈痛だ。まず佐藤翼が、つづいて桐生順平が、最後に中田竜太が、対岸のビジョンに映し出されるリプレイに見入った。なぜ池田に届かなかったのか。何がいけなかったのか。佐藤の場合は、2周1マークで桐生に抜かれた場面もおおいに気になっただろう。3人誰もが望んだ、地元SGでの戴冠。それがかなわなかったとあっては、ただただ悔しさばかりがつのるというものだ。

峰竜太のカタい表情も印象的だった。峰は「打倒桐生順平!」と宣言して優勝戦に臨んだ。昨年のダービー。優勝戦1号艇で桐生にまくられた、そのリベンジを果たしたいのだと言ったのだ。もちろん、まずは優勝してあの日の借りを返したい、というのが本音中の本音だろう。そして、せめて桐生に先着したい、という思いも峰にはあった。後者すらもかなわなかったことが、峰の心に影を落とした。次の戸田SG、峰はさらに燃える材料を手にした、と言っておこう。
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